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相続の手続きが終わっても、被相続人が不動産を購入した時の売買契約書等は残しておきましょう。

(概要)
相続の手続きが終わっても、将来、不動産を売却する際の譲渡所得の計算で不利になることがないように、被相続人が不動産を購入した時の売買契約書等は残しておきましょう。

(詳細)
・被相続人が生前購入された不動産を、相続人が将来売却するとき、その譲渡所得の計算で売却代金から控除する「取得費」は、相続時の相続税評価額を基礎とするのではなく、被相続人が不動産を購入された時の実際の価額を基礎として計算します。
・不動産を購入された時の実際の価額がわからない場合、「取得費」は、売却代金×5%で計算せざるをえないことも多く(※)、この場合、通常、実際の価額を基礎として計算された金額よりも少なくなります。その場合、譲渡所得にかかる税金が本来より多くなります。
・そのため、相続手続きが終わっても、被相続人が不動産を購入した時の売買契約書等は破棄せず、保存しておきましょう。
・土地や建物の売買契約書のほか、土地購入時の建物解体費用や造成費用、外構工事費用、建物新築時の工事請負代金などがわかる書類、事業用に用いていた場合には事業最終年度の税務申告書なども、同様の理由から残しておきましょう。

※ … 建築年月日と床面積から、標準的な建築価額表を用いて建物の取得価額を計算する方法など、取得費を推定して算定する方法がありますが、本稿では割愛します。

一次相続の分割協議をする前に二次相続が発生した場合の一次相続の分割の可否

一次相続の分割協議をしないで(遺産分割協議書を作成しないで)、二次相続が発生した場合であっても、通常は、二次相続の複数の相続人間で、一次相続の遺産分割協議を行うことで、自由な遺産分割が可能である(ケース1)。

(ケース1)
父(一次相続) 母(二次相続)
長男 長女
⇒ 長男、長女で、一次相続、二次相続の相続税の負担等を考慮したうえで、一次相続及び二次相続の遺産分割協議を行うことが可能

他方で、二次相続の相続人が一人である場合(ケース2)には、遺産分割協議は行えず、法定相続分で遺産分割されたものとされる(参考となる判例に、東京地裁平成26年3月13日判決東京高裁平成26年9月30日判決)。

(ケース2)
父(一次相続) 母(二次相続)
長男(一人っ子)

この結果、ケース2の場合には、相続税の負担を考慮して遺産分割及び相続税申告を行うことはできず、法定相続分で遺産分割されたものとして、相続税の申告を行わなければならない。また、この場合、一次相続においては、遺産分割は行われてないという前提から、配偶者控除や小規模宅地等の特例の適用は不可となる(相続税法19条の2第2項及び租税特別措置法69条の4第4項)。もっとも、二次相続においては、一次相続の相続税にかかる債務控除及び相次相続控除の適用が可能である。

なお、一次相続の相続人間(ケース2における母と長男)において、一次相続の遺産分割協議が書面ではないが口頭で行われていた場合には、二次相続の相続人(ケース2における長男)が遺産分割協議証明書を作成して事実を証明し、それに従った、登記及び相続税申告を行うことになる。この場合には、遺産分割協議が行われていることから、配偶者控除や小規模宅地等の特例は適用しうる。

相続人が海外に居住している場合の相続税の電子申告

相続人が国内に住所を有していない場合には、税理士を納税管理人として選任し、相続税申告を行うのが一般的である。税理士が納税管理人である場合には、当該相続税申告を電子申告にて行うことができるが、税務署は次の方法を指導している模様。
・利用者識別番号には、納税管理人である税理士のものを用いる。
・申告書の氏名のフリガナ欄に「納税管理人××××(税理士名)」を記載する。
・申告書の氏名欄・住所欄には、相続人本人及びその海外の住所を記載する。

相続税の申告が必要かどうか。

まずは相続税がかかるかどうかの確認を
亡くなった方の残した財産が、相続税の非課税枠を超えていたら、10ヶ月以内に相続税の申告書を作成し、税務署に提出しなければなりません。合わせて相続税の納付も必要となります。

(相続税の基本的な手順のポイント)
(1) 相続財産の評価
亡くなった方の残した財産について調べ、その財産が相続税の決まりに基づくといくらなのかを、財産ごとに計算しましょう。
(2) 相続税の計算
(1)の評価額の合計額が、相続税の非課税枠(基礎控除額)を超える場合には、相続税の申告と納税が必要です。税務署が、相続税がかかるかどうかを判断し、書類を送ってくれるわけではありません。まずは、自分自身で、相続税がかかるかどうか確認してみましょう。
(3) 申告書の作成・納税
相続税の申告書は、財産を相続した人全員が共同で提出するのが一般的です。税理士に依頼せずに自分で作成しても構いませんが、計算間違いや申告漏れがあると、税務調査を受け、加算税などのペナルティーを課されることになります。また、相続税には、課税価格の減額や税額控除など、税金が安くなる特例がいくつかあります。これらの特例を受けるには、色々な要件がありますので、注意が必要です。

税務署からの「相続についてのお尋ね」の意味とは?
人が死亡した場合、その情報は税務署にも入ります。税務署は、相続税の申告が必要であろうと判断した方に対して、「相続についてのお尋ね」が送られてきます。相続税の申告が必要なのか、不要なのかは、計算してみなければわかりません。それは税務署も同じですので、お尋ねをしてきます。もし、相続税の申告が不要であれば、このお尋ねに必要事項を記入して税務署に提出すれば終了です。

相続税の基礎控除額(非課税枠)とは?
相続税には、財産がこの金額以下なら相続税はかからないという非課税枠(基礎控除額)があります。財産が基礎控除額を超えている場合には、相続税の申告や納税が必要となりますが、これに満たなければ、相続税に関する手続きは一切必要ありません。
基礎控除額は、3000万円+600万円×法定相続人の数で計算します。

生前贈与が相続税に影響することがある
相続税は亡くなる時に、贈与税は生きている間に、無償で財産を受け取るとかかる税金です。相続税法の中に「相続税」と「贈与税」が定められています。贈与税は、あくまで相続税を補うための税金なのです。
そのため、亡くなる時期に比較的近い3年以内の生前贈与については、相続税で計算し直すことになっています。年間110万円以内の贈与は贈与税がかかりませんので、相続税対策として行われますが、贈与を行った日から3年以内に相続が発生した場合には、贈与した財産にも相続税がかかってきますので、結果として相続税対策にはならなかったことになります。相続税対策は、早い時期から取り掛かる必要があります。
なお、3年以内の生前贈与は、相続税で計算し直すと書きましたが、これは相続人が受けた贈与に限ります。従いまして、相続人でないお孫さん等への贈与は、相続開始前3年以内の贈与であっても相続税には影響を与えません。