事業承継や相続における相続税対策を検討する最初のステップは、対象となる財産の相続税評価額を知ることです。その中で特に重要となるのは、不動産をはじめとする固定資産です。もしこれらとその他の財産の相続税評価額の合計が、課税時点で基礎控除額以下となるのであれば、申告及び納税は不要となります。
そこで、専門家に相談する前に、下記の早見表をもとに、ざっくりご自身で算定してみましょう。なお、理解を容易とするために簡便的に記載しておりますので、実際の相続や対策にあたっては、顧問の税理士にご相談ください。
主な固定資産の相続税評価額早見表
土地 (注1) |
建物・附属設備(注1、2) | 構築物 | 車両・機械装置等 | ||||
右記以外 | 賃借物件の内装設備 | ||||||
固定資産税評価額あり | 固定資産税評価額なし | ||||||
法人所有(株式評価における純資産価額計算時) | 3年以内取得 | 簿価 | 簿価 | 簿価 | 簿価 | 簿価 | 簿価 |
上記以外 | 路線価等(注3) | 固定資産税評価額 | 簿価 (注4) |
0円 (注5) |
簿価×70% (注4) |
簿価 (注4) |
|
個人所有 | 路線価等(注3) | 固定資産税評価額 | 簿価 (注4) |
0円 (注5) |
簿価×70% (注4) |
簿価 (注4) |
注1 取引相場のある不動産所有権付リゾート会員権については、法人における3年以内取得は簿価で、それ以外においては取引価格の70%相当額にて評価します。国税庁 質疑応答事例 参照
注2 建物が借地上に存する場合には、別途借地権の評価が必要です。詳細は割愛いたします。
注3 詳細は割愛いたします。現況により変動しますが、課税時点の取引価格の7割程度となることが多いです。
注4 本来は、再取得価額が基礎となりますが、実務上、簡便的に簿価を採用できる場合には簿価を基礎とします。
注5 原状回復義務があり一切の補償が行われない場合など、有益費償還請求権や造作買取請求権を放棄しているとみられる場合には、評価から除外できるものと考えられます。国税不服審判所 裁決事例集 No.39 – 380頁 (リンク先上から4つ目の事例です)