相続税・贈与税」カテゴリーアーカイブ

要介護認定を受けていれば、所得税及び相続税の障害者控除の適用を受けられる可能性が高い。

<概要>
・要介護認定を受けていれば、自治体に「障害者控除対象者認定書」を発行してもらえる可能性が高く、その場合、障害者控除という所得税の所得控除(障害者27万円、特別障害者40万円、同居している特別障害者であれば75万円の所得控除)及び相続税の税額控除((85年-相続人の年齢)×10万円(特別障害者のの場合20万円))の適用することができる。
・要介護1~3で障害者、要介護4~5で特別障害者と認定されることが多いが、認定は個人の状況により異なる。

<詳細>
(所得税の障害者控除)
所得税の障害者控除(障害者27万円、特別障害者40万円、同居している特別障害者であれば75万円の所得控除)は、通常、障害者手帳によって適用するが、要介護となっているお年寄りの場合、障害者手帳がなくても、自治体から障害者控除対象者認定書を発行してもらうことで、障害者控除の適用を受けることができる。
浜松市の場合、区役所の長寿保険課の窓口にて、ご家族の方が発行手続きを行う。持ち物は、(1)認印、(2)介護保険証(番号が必要となる)。手数料はかからない。1週間~2週間程で、郵送にて障害者もしくは特別障害者に該当する旨の障害者控除対象者認定書が届くので、これをもって、障害者控除の適用を受ける。この手続きは、毎年必要で、29年分の申告に使用する障害者控除対象者認定書は、平成29年分と記載のあるものに限る。過去5年分まで発行してもらうことができ、例えば29年分については、29年の年末頃から発行してもらうことができるとのこと。
概ね、要介護1~3で障害者、要介護4~5で特別障害者となる。要支援の場合は、例えば要支援2以上に対象としている自治体がある。しかし、これらはあくまで目安であって、個人の状況により判定は異なるので、認定証の発行をしてみないことには分からない。

(相続税の障害者控除)
上記の障害者控除対象者認定書による障害者控除の適用は、相続税の障害者控除においても適用可能である。
相続税の障害者控除を定めた相続税法施行令4の4の規定が、所得税法施行令を引用しているため、同様の取扱いとなっている。

相続税の申告が必要かどうか。

まずは相続税がかかるかどうかの確認を
亡くなった方の残した財産が、相続税の非課税枠を超えていたら、10ヶ月以内に相続税の申告書を作成し、税務署に提出しなければなりません。合わせて相続税の納付も必要となります。

(相続税の基本的な手順のポイント)
(1) 相続財産の評価
亡くなった方の残した財産について調べ、その財産が相続税の決まりに基づくといくらなのかを、財産ごとに計算しましょう。
(2) 相続税の計算
(1)の評価額の合計額が、相続税の非課税枠(基礎控除額)を超える場合には、相続税の申告と納税が必要です。税務署が、相続税がかかるかどうかを判断し、書類を送ってくれるわけではありません。まずは、自分自身で、相続税がかかるかどうか確認してみましょう。
(3) 申告書の作成・納税
相続税の申告書は、財産を相続した人全員が共同で提出するのが一般的です。税理士に依頼せずに自分で作成しても構いませんが、計算間違いや申告漏れがあると、税務調査を受け、加算税などのペナルティーを課されることになります。また、相続税には、課税価格の減額や税額控除など、税金が安くなる特例がいくつかあります。これらの特例を受けるには、色々な要件がありますので、注意が必要です。

税務署からの「相続についてのお尋ね」の意味とは?
人が死亡した場合、その情報は税務署にも入ります。税務署は、相続税の申告が必要であろうと判断した方に対して、「相続についてのお尋ね」が送られてきます。相続税の申告が必要なのか、不要なのかは、計算してみなければわかりません。それは税務署も同じですので、お尋ねをしてきます。もし、相続税の申告が不要であれば、このお尋ねに必要事項を記入して税務署に提出すれば終了です。

相続税の基礎控除額(非課税枠)とは?
相続税には、財産がこの金額以下なら相続税はかからないという非課税枠(基礎控除額)があります。財産が基礎控除額を超えている場合には、相続税の申告や納税が必要となりますが、これに満たなければ、相続税に関する手続きは一切必要ありません。
基礎控除額は、3000万円+600万円×法定相続人の数で計算します。

生前贈与が相続税に影響することがある
相続税は亡くなる時に、贈与税は生きている間に、無償で財産を受け取るとかかる税金です。相続税法の中に「相続税」と「贈与税」が定められています。贈与税は、あくまで相続税を補うための税金なのです。
そのため、亡くなる時期に比較的近い3年以内の生前贈与については、相続税で計算し直すことになっています。年間110万円以内の贈与は贈与税がかかりませんので、相続税対策として行われますが、贈与を行った日から3年以内に相続が発生した場合には、贈与した財産にも相続税がかかってきますので、結果として相続税対策にはならなかったことになります。相続税対策は、早い時期から取り掛かる必要があります。
なお、3年以内の生前贈与は、相続税で計算し直すと書きましたが、これは相続人が受けた贈与に限ります。従いまして、相続人でないお孫さん等への贈与は、相続開始前3年以内の贈与であっても相続税には影響を与えません。